元ハリル副官・ボヌベー氏インタビュー
「“緩衝器”の役を果たそうと努めてきた」

マリオ・アルバノ/Mario Albano

ハリルホジッチ前日本代表監督の副官、ジャッキー・ボヌベー氏(左から2番目)がなじみの記者のインタビューに応じてくれた

ハリルホジッチ前日本代表監督の副官、ジャッキー・ボヌベー氏(左から2番目)がなじみの記者のインタビューに応じてくれた【写真:ロイター/アフロ】

 5月11日の午後、ヴァイッド・ハリルホジッチ前日本代表監督の副官、ジャッキー・ボヌベー氏が、マルセイユで選手としてプレーしていた時代から知る仏『ラ・プロバンス』紙の記者、マリオ・アルバノ氏を介し、ここ数カ月に起きた一連の出来事についての質問に答えてくれた。


 日本代表コーチを務めてきたボヌベー氏は、ハリルホジッチ前監督、フィジカルコーチのシリル・モワンヌ氏、GKコーチのエンヴェル・ルグシッチ氏とともに4月7日、ワールドカップ(W杯)開幕を約2カ月後に控え、JFA(日本サッカー協会)から契約を解除された。


 ボヌベー氏は、「私は日本の人々と、変わらず友好的な関係を保っている。私の言葉をそのまま載せるのならいいが、騒ぎを起こす類いの原稿にコメントを引用するような使い方はやめてほしい」とくぎを刺した上で、ときに愛着を込め、ときに共にロシアで戦えない歯がゆさをにじませながら、言葉をつづった。

いくつかの点について、ヴァイッドに警告はした

日本代表と「W杯に参加できないというのは、失望以外の何ものでもない」とボヌベー氏

日本代表と「W杯に参加できないというのは、失望以外の何ものでもない」とボヌベー氏【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

――W杯直前にハリルホジッチ前監督とともに解任されたことについて、今の率直な気持ちは?


 日本代表とともに3年を過ごし、2つの予選を通して、W杯出場権を獲得するため、18の公式試合を戦った末にW杯に参加できないというのは、失望以外の何ものでもない。われわれは2次予選で1位になり、最終予選でもやはり1位だった。だから私は、もちろんフラストレーションを感じている。私は(ニジェール代表時代に)アフリカネーションズカップに参加したことはあったが、W杯は一度もなかった。「フラストレーション」は、この心境を表現するのに適切な言葉だろう。


――JFAの田嶋幸三会長はハリルホジッチ監督を解任する決断に至った理由を「選手とのコミュニケーションや信頼関係が多少薄れてきた」と会見で語ったが、コーチの立場でその解任理由に納得感はあるか?


 その質問には答えられない。それに関してはヴァイッドに尋ねるべきだ。私はすべてを目にしてきた。先日(4月下旬)、東京に戻った時に(JFAの)幹部の方々と面会した。私は彼らととても温かく友好的な関係を保っている。会長、新しい代表監督など、皆にあいさつした。だからとにかく、信頼関係に関しては、ヴァイッドに尋ねてくれ。私はアシスタントにすぎない。


 私はいくつかの点について、ヴァイッドに警告はした。しかしそれについて、これ以上話すことはできない。私が注意を促したのは、私の運命が、彼のそれと結びついているからだ。私のアシスタントとしての役割は、伝えなければならないことがあると感じたときに、それを報告することだった。


 アシスタントという役についている者は、常により情報を持っている。代表監督と面と向かって話すとき、人々は好意やアドバンテージを得るため、必ずしも現実とは一致しない、感じのいいことを言いがちだからだ。私はいつも可能な限り、物事がうまく進むようにするため、「緩衝器」の役を果たそうと努めてきた。私はいつも人々に、人間的に、心で近づこうとも努めてきた。それが私の役目でもあったんだ。


――解任される前、チームがそのような危機的状況にあると、あなた自身、認識していたか? 悪い予感を覚えた瞬間はあったのか?


 ああ。そしてそのことについて、ヴァイッドに話した。

著者名
マリオ・アルバノ/Mario Albano
著者紹介文

マルセイユを含む南仏で最大の売り上げ数と人気を誇る一般紙『ラ・プロバンス』紙で、長くマルセイユ番記者とフランス代表番記者を務める、ベテランのサッカー記者。文章力、分析力を高く評価されており、その人柄ゆえ、選手からの信望も厚い

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